「子どもが生まれたら、まず何の保険を考えればいいんだろう?」
そう悩んだとき、私が最初の候補に挙げるのが「収入保障保険」です。
名前はむずかしそうですが、仕組みはとてもシンプルです。
そして、子育て世帯の「もしも」にとても合った、合理的な保険だと感じています。
ただ、名前は聞いたことがあっても、中身まで知っている人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、収入保障保険がどんな仕組みで、なぜ子育て世帯に合っているのかを、メリットも正直な注意点もふくめてお伝えします。

収入保障保険って、一般的な死亡保険と何が違うの?

ひとことで言うと「毎月お給料のように受け取れる死亡保険」です。子育て世帯に合う理由を、順番に見ていきましょう。
こんな方に読んでほしい記事です
- 子どもが生まれて、死亡時の備えを具体的に考えたい人
- 「収入保障保険」の名前は聞くけど中身を知らない人
- ムダなく合理的に保険を選びたい人
そもそも「収入保障保険」とは?
収入保障保険は、ひとことで言うと「毎月の給料のように受け取れる死亡保険」です。
一般的な死亡保険(定期保険)は、万が一のときに保険金を一括で受け取ります。
一方、収入保障保険は、万が一のあと、契約が終わるまで毎月一定額を受け取り続けます。
たとえば「毎月10万円を、子どもが独立するまで」といった形です。
一般的な死亡保険(定期保険)
万が一のとき
一括でまとめて受け取る
収入保障保険
万が一のあと
毎月コツコツ受け取る
一般的な死亡保険(定期保険)と収入保障保険の受け取りイメージ
※年金月額10万円・30歳加入・65歳満了の例
一般的な死亡保険(定期保険)
どの年齢でも保障は4,200万円
収入保障保険
30歳で万一 → 4,200万円
月10万円 × 12か月 × 35年
50歳で万一 → 1,800万円
月10万円 × 12か月 × 15年
残された家族にとっては、毎月の生活費がそのまま入ってくるイメージです。
まとまったお金の管理が苦手な家庭でも、計画的に使えるのが特徴です。
なぜ子育て世帯に「合理的」なのか
ここが収入保障保険の、いちばん大事なポイントです。
子どもが小さいうちは、これから必要なお金がたくさん残っています。
たとえば子どもが0歳なら、これから保育園・小学校・中学校・高校・大学と、長い年数ぶんの教育費や生活費がかかります。
でも、子どもが12歳ごろになれば、保育園や小学校の費用は終わっています。残っているのは中学・高校・大学ぶん。必要なお金は自然と少なくなっていきます。
つまり、子どもの成長とともに「これから必要なお金」はだんだん減っていくのです。
だとすると、万が一の備えも、本当は「だんだん減っていく」のが自然です。
収入保障保険は、まさに契約から時間がたつほど受け取り総額が減っていく仕組みです。
つまり、必要な保障の「形」と、保険の「形」がぴったり合っているのです。
ムダに大きな保障を払い続けなくていい。だから保険料も抑えられます。
これが「合理的」と言われる理由です。
一般的な死亡保険とどう違う?
収入保障保険と似た保険に「一般的な死亡保険」があります。
大きな違いは2つです。
ひとつは、受け取り方。一般的な死亡保険は一括、収入保障保険は毎月です。
もうひとつは、保障額の減り方。一般的な死亡保険は期間中ずっと同じ、収入保障保険は少しずつ減っていきます。
| 項目 | 一般的な死亡保険 | 収入保障保険 |
|---|---|---|
| 受け取り方 | 一括 | 毎月 |
| 保障額 | 期間中ずっと一定 | 少しずつ減っていく |
| 保険料 | やや高め | 抑えやすい |
同じ死亡保障でも、収入保障保険のほうが保険料を抑えやすい傾向があります。
「掛け捨てはもったいない」は本当か?
収入保障保険は、いわゆる「掛け捨て」です。
何も起きなければ、払った保険料は戻ってきません。
「それってもったいないのでは?」と感じるかもしれません。
でも、私はむしろ掛け捨てで良いと考えています。
保険は、貯蓄ではなく「万が一に備える手段」です。
保険は保険、貯蓄は貯蓄。分けて考えるのが、いちばんシンプルです。
分けると、結果的にこう整理できます。
- 保険:コスパ良く「もしも」に備える
- 貯蓄:投資に回して、コスパ良く増やす
ひとつの商品に保障と貯蓄を詰め込むより、役割を分けたほうがムダがありません。
この「分ける」考え方は、教育費の準備でも同じです。
▶ 関連:学資保険はいらない?教育費はNISAで積み立てるべき理由
なお、商品によっては最低保証期間が設けられていたり、一時金で受け取れたりする場合もあります。詳しい条件は商品ごとに確認しましょう。
どう考えて選べばいい?
では、どう選べばいいのでしょうか。
考え方はシンプルです。
まず「必要なお金 − 公的保障 − すでに準備できている資産 = 足りない分」を出します。
とはいえ「必要なお金」と言われても、金額が大きすぎてピンと来ないかもしれません。
そこでおすすめなのが、「毎月いくらあれば足りるか」で考える方法です。
たとえば、遺された家族のこれからの生活費が毎月25万円ほどかかるとします。
そのうち遺族年金などの公的保障で15万円ほどまかなえるなら、足りないのは毎月10万円。
この「毎月10万円」が、そのまま収入保障保険で備える金額の目安になります。
(実際の金額は家庭によって変わります。あくまで考え方の一例です。)
大事なのは、ここでも「何のために、いくら必要か」という目的です。
保険は目的を満たすための手段。収入保障保険も、その手段のひとつにすぎません。
目的がはっきりすれば、必要以上に大きな保険に入る必要はなくなります。
▶ 関連:子どもが生まれたら保険は必要?増やす前に確認したいこと

仕組みがわかったら、ちょっと安心しました。まずは「毎月いくら足りないか」を考えればいいんですね。

その通りです。手段から選ぶのではなく、目的から手段を選ぶ。それだけで、ムダのない選び方ができますよ。
まとめ|「目的」から手段を選ぶ
- 収入保障保険は「給料のように毎月受け取れる死亡保険」
- 子の成長とともに保障が減る=必要保障の形と合っていて合理的
- 一般的な死亡保険より保険料を抑えやすい傾向がある
- 掛け捨ては「保険を手段に徹した合理的な選択」
- まず「足りない分」を毎月いくらに置き換えて考える
子どもが生まれたら、増やすことよりも「何のために、いくら備えるか」。
それさえ押さえれば、保険選びはぐっとシンプルになるはずです。
