学資保険では足りない?インフレで上がり続ける教育費の話

NISA・投資

「子どもの教育費は、学資保険でコツコツ準備すれば安心」——そう考えている方もいると思います。

でも、もしその「準備した金額」が、将来の教育費に追いつかなかったら、どうでしょうか。

じつは今、教育費は静かに、でも確実に上がり続けています。

この記事では、教育費が「これからも上がっていく」という前提で、どう備えればいいのかを一緒に考えていきます。

読者
読者

学資保険に入っておけば、教育費は大丈夫だと思っていました…。

みずかめ
みずかめ

その気持ち、よくわかります。入ること自体を否定するつもりはありません。ただ、「いくら準備できるか」だけでなく「そのお金が将来も十分かどうか」も一緒に考えると安心ですよ。

こんな方に読んでほしい記事です

  • 学資保険で教育費を準備しようと考えている方
  • 「教育費って本当に足りるの?」と漠然と不安な方
  • インフレや値上げのニュースが気になっている方

教育費って、実際どれくらい上がってきたの?

まずは事実から見てみましょう。

私立大学の初年度納付金(入学金+授業料など)は、2005年度の約81万円から、令和5年度(2023年度)には約96万円になりました。18年でおよそ15%の値上がりです。

もっと長い目で見ると、私立大学の授業料は1975年度から2023年度までで、約5.3倍にもなっています。

※ここで使う令和5年度(2023年度)は、文部科学省などが公表している最新の平均データです。公式の統計は集計に時間がかかるため、2026年の今でもこれが最新になります。

「親世代のころより高くなった」という感覚は、データ上もその通りなんです。

2025年、ついに「あの東大」も値上げしました

そして値上がりは、今まさに進行中です。

東京大学は、2025年度の入学者から授業料を引き上げました(東京大学発表)。年535,800円だった授業料が642,960円へ。差額はおよそ11万円で、約20年ぶりの値上げです。

国立大学の授業料はこれまで横並びで据え置かれてきましたが、その「当たり前」が崩れ始めています。首都圏のほかの国立大学でも、値上げを検討する動きが出ています。

一方で、2025年度からは子どもが3人以上いる多子世帯について、大学の授業料などが無償化される制度も始まりました。

ただし、これは「扶養している子どもが3人以上いる間」が条件です。上の子が卒業・就職して扶養から外れると対象外になることもあり、私立は授業料・入学金に上限があるため、差額は自己負担になります。すべての多子世帯がずっと無償、というわけではない点に注意が必要です。

これから20年も上がる?「インフレ」というもう一つの値上がり

ここまでは、大学や制度が決める「学費そのものの値上げ」を見てきました。

じつは教育費には、もうひとつ別の方向から効いてくる値上がりがあります。それが、世の中全体の物価が上がる「インフレ」です。

学費だけでなく、塾や教材、一人暮らしの生活費まで——子どもにかかるお金全体が、物価といっしょにじわじわ上がっていきます。

かりに物価が毎年2〜3%ずつ上がると、年2%なら20年で約1.5倍、年3%なら約1.8倍になります。

今の感覚で「これくらいあれば足りる」と思った金額は、子どもが大学に入るころには、同じ価値ではなくなっているかもしれません。

物価が上がると、必要なお金もこう増える

📈 年2%の場合 → 20年後には約1.5倍

📈 年3%の場合 → 20年後には約1.8倍

⚠️ 落とし穴|学資保険は「受け取る額が最初から決まっている」

ここで、学資保険の弱点に触れておきます。

学資保険は、契約した時点で「将来いくら受け取れるか」が決まっています。これは「金額がブレない安心感」でもありますが、裏を返すと「物価が上がっても、受け取る額は増えない」ということです。

たとえば「18年後に300万円受け取れる」契約をしたとします。

でも、その18年でインフレが進むと、300万円で買えるもの(=お金の価値)は今より目減りしてしまいます。受け取る金額は同じでも、実質的には「思っていたより少ない」という事態が起こりうるのです。

教育費が上がり続ける時代に、「受け取る額が固定されている」ことは、見落とされがちなリスクなんです。

ではどう備える?「増える可能性のあるお金」で時間を味方に

では、どう備えればいいのでしょうか。

ひとつの答えが、NISAを使って投資信託を積み立てる方法です。

投資信託は、世界中の会社の株などにまとめて分散投資できる商品です。1本買うだけで自動的に分散ができるので、初心者でも値動きのリスクを抑えやすいのが特長です。

過去の実績では、世界全体に分散投資した株式は、長期で年5〜8%程度のリターンになった時期もありました(将来を保証するものではありません)。

これはインフレ(年2〜3%)を上回るペースです。つまり、物価の上昇に「追いつき、追い越せる可能性のあるお金」で備えられるということです。

もちろん、投資なので価格は上下します。だからこそ、18年という長い時間を味方にできる教育費づくりと相性がいいんです。

ただし、子どもの入学時期は決まっているので、必要になる数年前から少しずつ現金に移していく、といった「出口の工夫」は必要です。

このあたりの具体的な考え方は、以下の記事でくわしく触れています。

▶ 関連:学資保険はいらない?教育費の積立にNISAをおすすめする理由

▶ 関連:子どもの教育費はいくら必要?学資保険よりNISAを選んだ理由

▶ 関連:初心者でも迷わない|NISAの始め方

保険そのものを否定したいわけではありません

ここまで読むと「保険はいらないの?」と感じるかもしれませんが、そうではありません。

私がお伝えしたいのは、「教育費を増やす役割」と「もしもに備える役割」を分けて考えよう、ということです。

教育費そのものを準備するなら、インフレに負けにくいNISA(投資信託)が合理的です。

一方で、「親に万一のことがあったら教育費はどうなるんだろう」という不安には、掛け捨ての保険が向いています。中でも収入保障保険は、毎月の給料のように保険金を受け取れて、保険料も手頃です。

つまり、増やすのはNISA、守りは掛け捨ての保険。役割を分けると、どちらも無理なく備えられます。1本の保険で全部を抱え込まない——これが「まず80点」の考え方です。

増やす

教育費づくりはNISA(投資信託)

守る

万一の備えは掛け捨ての保険(収入保障保険)

▶ 関連:子どもが生まれたら第一に考えたい「収入保障保険」とは?

読者
読者

「学資保険か、NISAか」じゃなくて、役割で分ければいいんですね。

みずかめ
みずかめ

そうなんです。「増やす」と「守る」を分けるだけで、教育費の不安はぐっと整理できますよ。

まとめ|教育費は「上がる前提」で考える

教育費は、学費そのものの値上げと、インフレという2つの力で、これからも上がっていく可能性が高いです。

受け取る額が決まっている学資保険だけだと、その上昇に追いつけないかもしれません。

だからこそ、「増やす」のはインフレに負けにくいNISAで、「守る」のは手頃な掛け捨ての保険で——と役割を分けて備えるのが、これからの時代に合った考え方だと私は思います。

大切なのは、「教育費は上がるもの」という前提に立つこと。

その一歩を踏み出せたら、お子さんの将来の選択肢を、ぐっと広げてあげられるはずです。

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